🔷“違い”こそが、贈り物だった
― イザベルが辿り着いた“愛”のかたち ―
🌱 導入:愛し方を変えたMBTI
MBTIとは、単なる診断ではありません。
それは、“理解しようとする努力”そのものです。
晩年のイザベル・ブリッグス・マイヤーズが、ある友人にこう語ったといいます。
「MBTIがあったから、私は夫を愛せたの。」
この言葉は、彼女の人生と理論が深く結びついていたことを象徴しています。
👫正反対だった、ふたりの性格
イザベルはINFPタイプ。
理想を胸に抱き、心の内側で意味や価値を熟考する人。
一方、夫クラレンス(通称“チーフ”)はISTJタイプ。
現実的で秩序を重んじ、責任を果たすことに誇りを持つ人。
彼女は「なぜ?」から始める人
彼は「どうする?」から始める人
当初、この“違い”は衝突の種でもありました。
・感情で語るイザベルと、理屈で返すチーフ
・柔軟で直感的な妻と、計画的で慎重な夫
「なぜこの人は、私の気持ちをわかってくれないの?」
イザベルがそう感じた夜も、一度や二度ではなかったはずです。
💡MBTIが教えてくれた“目の向け方”
そんなある日、彼女はふと立ち止まります。
「この違いは、性格のせいかもしれない」
「…もしかしたら、“間違い”じゃなくて、“傾向”なのかもしれない」
そこから彼女は、MBTIの視点を自らの結婚生活に適用し始めました。
ISTJの特徴:誠実、忠実、伝統を守る、実行力がある
INFPの特徴:柔らかく、理想を追い、内面的な意味を重視する
それは、衝突ではなく補完の関係になり得ると気づいたのです。
「彼は私に“地に足のついた安定”をくれた」
「私は彼に“心の柔らかさ”を持ち込めた」
MBTIが“二人の間”に橋をかけたことで、
互いに「正しさ」ではなく、「違いの美しさ」を見るようになったのです。
🪞性格の“合う/合わない”よりも、大切なこと
よく、「相性の良いタイプはどれですか?」とMBTIに問われます。
でもイザベルの答えはこうだったかもしれません。
「違うからこそ、学べることがある」
「MBTIは、“誰とでもやっていける”ための地図です」
性格タイプの一致・不一致を“相性”で断じるのではなく、
違いを受け入れ、活かし合うための対話ツールとしてMBTIを使う。
それが、彼女が提唱した「MBTIの本来の姿」だったのです。
🔚それは、“愛”という名の証明
INFPの彼女と、ISTJの彼。
決して似ていなかった2人の心が通い合ったのは、理解しようとする努力があったから。
「MBTIがあったから、私は夫を愛せた」
この言葉は、ひとつの恋愛論ではなく、MBTIという思想の到達点だったのです。
私たちも、似ていない誰かと出会い、
ときに戸惑い、すれ違い、それでも共に生きていこうとする中で、
“違い”に向き合う勇気を求められます。
そのとき思い出してほしいのです。
違いは、贈り物である。
それを受け取れるかどうかが、私たちの愛の器量なのだと。
次回、最終話ではMBTIという思想がいかにして“時代を超えて生き続ける力”を持ったのかを描きます。
イザベルの遺した祈りと、私たちが今できること。
MBTIという優しさの言語の意味を、最後にもう一度。